このページで学ぶこと
文字式とは、数のかわりに x や a などの文字を使って表した式のことです。
数学が苦手な子は、文字式で急にわからなくなることがあります。
たとえば、
x
2x
x + 5
3a - 2
のような式を見ると、
「x って何?」
「2x は 2 と x を足すの?」
「なぜ数字のかわりに文字を使うの?」
「文字式と方程式は何が違うの?」
と感じる子も多いです。
このページでは、文字式を暗記ではなく、意味からゆっくり説明します。
図で見る:文字式の考え方
このページの大事な考え方を、図で先に確認しましょう。
文字式は、まだ決まっていない数や変わる数を文字で表す方法です。
文字式とは何か?
文字式とは、数のかわりに文字を使って表した式のことです。
数のかわりに文字を使った式 = 文字式
たとえば、
x + 3
という式があります。
この x は、まだ具体的な数が決まっていないものを表しています。
x が 5 なら、
x + 3 = 5 + 3 = 8
x が 10 なら、
x + 3 = 10 + 3 = 13
になります。
文字式は、まだ数が決まっていないものを、文字を使って表すための式です。
なぜ文字を使うの?
数学で文字を使う理由は、まだ決まっていない数や、いろいろな数にあてはまるルールを表すためです。
たとえば、1個100円のりんごを買うとします。
1個なら、
100 × 1 = 100円
2個なら、
100 × 2 = 200円
3個なら、
100 × 3 = 300円
では、何個買うかわからないときはどうすればよいでしょうか。
そのときに、個数を x 個とします。
100 × x
これで、「1個100円のりんごを x 個買ったときの代金」を表せます。
文字を使うと、まだわからない数や、いろいろな場合に使える式を作ることができます。
x とは何か?
x は、まだ具体的な数が決まっていないものを表す文字です。
x = まだ決まっていない数
方程式では、x は「これから求める数」として使われることが多いです。
でも、文字式では、x は「いろいろな数が入る場所」と考えるとわかりやすいです。
x + 2 という文字式は、x に入る数によって答えが変わります。
x が 1 なら 3。
x が 5 なら 7。
x が 10 なら 12。
x は「エックスという答え」ではありません。
いろいろな数を入れるための場所です。
2x とは何か?
文字式で特につまずきやすいのが、
2x
です。
2x は、2 と x を足すという意味ではありません。
2x = 2 × x
という意味です。
数学では、数字と文字のかけ算では、かけ算の記号「×」を省略して書くことがあります。
つまり、
2 × x → 2x
と書きます。
2x は、「x が2個ある」または「x の2倍」という意味です。
たとえば、x が 4 なら、
2x = 2 × 4 = 8
になります。
3x、4x、5x の意味
2x がわかれば、3x や 4x も同じ考え方です。
| 文字式 |
意味 |
別の書き方 |
| 2x |
x が2個ある |
x + x |
| 3x |
x が3個ある |
x + x + x |
| 4x |
x が4個ある |
x + x + x + x |
x が 5 のとき、3x は 3 × 5 なので 15 です。
文字の前にある数字は、その文字が何個分あるかを表しています。
文字の前の数字を「係数」といいます
文字の前についている数字には名前があります。
3x
この 3 を、係数といいます。
係数とは、文字の前についている数字のことです。
係数という言葉は、方程式や関数でもよく出てきます。
最初は、「文字の前の数字」と考えれば大丈夫です。
x + 5 とは何か?
次に、
x + 5
の意味を考えてみましょう。
これは、
ある数に 5 を足す
という意味です。
x が 3 なら、
x + 5 = 3 + 5 = 8
x が 10 なら、
x + 5 = 10 + 5 = 15
になります。
x + 5 は、「x より5大きい数」を表しています。
x - 5 とは何か?
x - 5
は、
ある数から 5 を引く
という意味です。
x が 12 なら、
x - 5 = 12 - 5 = 7
になります。
x - 5 は、「x より5小さい数」を表しています。
文字式に数を入れることを「代入」といいます
文字に具体的な数を入れることを、代入といいます。
代入 = 文字に数を入れること
たとえば、
x + 4
という文字式があります。
x に 6 を代入すると、
6 + 4 = 10
になります。
つまり、x + 4 の x のところに 6 を入れたということです。
代入は、文字式の意味を確認するときにとても大切です。
例題1:x = 3 のとき、2x の値
次の文字式を考えます。
2x
x = 3 のとき、x のところに 3 を入れます。
2x = 2 × 3
だから、
2x = 6
です。
2x は 2 + x ではありません。2 × x です。
例題2:x = 4 のとき、x + 7 の値
次の文字式を考えます。
x + 7
x = 4 なので、x のところに 4 を入れます。
4 + 7 = 11
答えは 11 です。
文字式の値を求めるときは、文字のところに数を入れて計算します。
例題3:x = 5 のとき、3x - 2 の値
次の文字式を考えます。
3x - 2
3x は 3 × x です。
x = 5 なので、
3 × 5 - 2
となります。
3 × 5 = 15 なので、
15 - 2 = 13
答えは 13 です。
かけ算を先に計算してから、足し算や引き算をします。
文字式と方程式の違い
文字式と方程式は似ていますが、同じではありません。
| 種類 |
例 |
意味 |
| 文字式 |
x + 3 |
文字を使って表した式 |
| 方程式 |
x + 3 = 10 |
文字の値を求めるための式 |
文字式には、必ずしも「=」があるとは限りません。
一方、方程式には「=」があります。
文字式は、文字を使って数量を表したもの。
方程式は、文字の値を求めるための式です。
文章を文字式にしてみよう
文字式は、文章を短く表すためにも使います。
ある数より 5 大きい数
ある数を x とすると、
x + 5
と表せます。
ある数の 3 倍
ある数を x とすると、
3x
と表せます。
1個80円のお菓子を x 個買ったときの代金
これは、
80x
と表せます。
文字式は、長い文章を短い式で表すためにも使われます。
よく使う文字式の表し方
次の表は、高校受験でもよく出てくる表し方です。
| 文章 |
文字式 |
| ある数より 3 大きい数 |
x + 3 |
| ある数より 3 小さい数 |
x - 3 |
| ある数の 2 倍 |
2x |
| ある数の 3 倍より 4 大きい数 |
3x + 4 |
| 1個 a 円の商品を 5 個買った代金 |
5a |
| 1個 100 円の商品を x 個買った代金 |
100x |
「より大きい」「より小さい」「倍」などの言葉が出てきたら、文字式に直す練習をしましょう。
文字式の決まり
文字式には、いくつかの書き方の決まりがあります。
1. かけ算の記号は省略する
2 × x = 2x
2. 数字を文字の前に書く
x × 3 = 3x
3. 1 × x の 1 は省略する
1 × x = x
4. 文字だけの式もある
x
a
y
文字式は、見やすく短く書くために、かけ算の記号や 1 を省略することがあります。
よくある間違い
文字式では、次のような間違いがよくあります。
間違いやすい考え方
・2x を 2 + x だと思う
・x を必ず答えだと思う
・x + 5 と 5x を同じだと思う
・代入するとき、かけ算を忘れる
・文字式と方程式の違いがわからない
正しい考え方
・2x は 2 × x
・x は数を入れる場所
・x + 5 は「5を足す」
・5x は「5倍」
・= があると方程式になることが多い
文字式で一番大切なのは、文字が何を表しているのかを考えることです。
確認問題
文字式の意味を確認してみましょう。
問題1
2x は、2 + x ですか? それとも 2 × x ですか?
問題2
x = 4 のとき、3x の値はいくつですか?
問題3
x = 6 のとき、x + 5 の値はいくつですか?
問題4
「ある数より 7 大きい数」を、ある数を x として文字式で表しましょう。
問題5
「1個90円のお菓子を x 個買ったときの代金」を文字式で表しましょう。
答え
問題1:2 × x
問題2:3 × 4 = 12
問題3:6 + 5 = 11
問題4:x + 7
問題5:90x
まとめ
文字式は、数学の基本になるとても大切な考え方です。
最初は x や 2x がむずかしく見えるかもしれませんが、意味がわかれば少しずつ理解できます。
文字式とは、数のかわりに文字を使った式です。
x は、まだ決まっていない数を表します。
2x は、2 × x という意味です。
文字に数を入れることを代入といいます。
文字式がわかると、方程式や関数も理解しやすくなります。
文字式が苦手なときは、まず「この x は何を表しているのか」を考えるようにしましょう。