意味からわかる高校受験

移項とは何か?

なぜ + が - に、- が + に変わるのかをやさしく解説

このページで学ぶこと

移項とは、方程式で x を求めやすくするために、項を反対側へ移したように見せる計算のことです。
方程式を勉強していると、よく次のような式が出てきます。
x + 3 = 10
x = 10 - 3
ここで多くの子が、
「なんで +3 が、反対側に行くと -3 になるの?」
「符号が変わるってどういうこと?」
「移項って、ただ場所を動かしているだけなの?」
とつまずきます。 このページでは、移項をただの暗記ではなく、意味から説明します。

図で見る:移項はつり合いを保つ操作

このページの大事な考え方を、図で先に確認しましょう。

移項を天びんのつり合いとして説明する図。
移項は魔法ではなく、両辺に同じ操作をして式を見やすくする考え方です。

移項とは何か?

移項とは、方程式の中にある数や文字を、反対側へ移動したように見せる計算のことです。 たとえば、
x + 3 = 10
という式があります。 x を求めたいので、x だけを左側に残したいです。 そのために、+3 を右側へ移したように書きます。
x = 10 - 3
これを移項といいます。
移項とは、方程式を解きやすくするために、じゃまな項を反対側へ移したように整理することです。
ただし、本当に数字が勝手に反対側へ移動しているわけではありません。 ここがとても大切です。

そもそも「項」とは何か?

移項の「項」とは、式の中にあるひとまとまりの数や文字のことです。 たとえば、
x + 3 = 10
では、
x も項
+3 も項
10 も項
と考えます。
「移項」という言葉は、項を移すという意味です。
ただし、くり返しになりますが、実際に項が勝手に動くのではなく、両辺に同じ計算をした結果、反対側に移ったように見えているだけです。

なぜ符号が変わるの?

多くの子が一番つまずくのがここです。
x + 3 = 10
x = 10 - 3
このとき、+3 が -3 に変わっています。 でもこれは、魔法のように符号が変わったのではありません。 本当は、左と右の両方から 3 を引いています。
x + 3 = 10
x だけを残したいので、左側の +3 を消します。 +3 を消すには、3 を引きます。 ただし、方程式では左と右のバランスをくずしてはいけません。 だから、左から3を引いたら、右からも3を引きます。
x + 3 - 3 = 10 - 3
左側の +3 - 3 は 0 になります。
x = 10 - 3
だから、
x = 7
になります。
+3 が反対側へ行って -3 になるのは、両辺から3を引いた計算を省略して書いているからです。

移項は「省略した書き方」

移項を理解するときに大切なのは、次の考え方です。
移項 = 両辺に同じ計算をすることを短く書いたもの
本当の流れは、
x + 3 = 10
x + 3 - 3 = 10 - 3
x = 10 - 3
x = 7
です。 でも、毎回このように長く書くと大変です。 そこで、慣れてきたら、
x + 3 = 10
x = 10 - 3
と短く書きます。 これが移項です。
最初から「反対側へ行くと符号が変わる」とだけ覚えると、意味がわからなくなりやすいです。
まずは「両辺に同じことをしている」と考えましょう。

天びんで考えるとわかりやすい

方程式は、天びんのように左と右がつり合っていると考えるとわかりやすくなります。
x + 3 = 10
これは、
左側
x + 3
右側
10
という意味です。 左から3を取るなら、右からも3を取らないと、つり合いがくずれてしまいます。
左側
x + 3 - 3
右側
10 - 3
だから、
x = 7
になります。
方程式では、左にしたことは右にもする。右にしたことは左にもする。これが基本です。

例題1:x + 5 = 12

次の方程式を解いてみましょう。
x + 5 = 12
x だけを残したいので、+5 がじゃまです。 +5 をなくすには、5 を引きます。
x + 5 - 5 = 12 - 5
すると、
x = 7
になります。 移項で短く書くと、
x + 5 = 12
x = 12 - 5
x = 7
です。
+5 を反対側へ移項すると -5 になります。

例題2:x - 4 = 9

次の方程式を解いてみましょう。
x - 4 = 9
x だけを残したいので、-4 がじゃまです。 -4 をなくすには、4 を足します。
x - 4 + 4 = 9 + 4
すると、
x = 13
になります。 移項で短く書くと、
x - 4 = 9
x = 9 + 4
x = 13
です。
-4 を反対側へ移項すると +4 になります。

例題3:x + 8 = 20

次の方程式を解いてみましょう。
x + 8 = 20
+8 を反対側へ移項します。
x = 20 - 8
だから、
x = 12
です。 確認してみましょう。
12 + 8 = 20
左と右が同じなので、正しい答えです。

例題4:2x + 3 = 11

少しだけレベルを上げてみます。
2x + 3 = 11
まず、x が入っている 2x を残したいので、+3 を移項します。
2x = 11 - 3
すると、
2x = 8
2x は、x が2個あるという意味です。 x 1個分を知りたいので、8を2で割ります。
x = 8 ÷ 2
だから、
x = 4
です。
まず足し算・引き算の部分を移項してから、最後に x の前の数で割ると考えるとわかりやすいです。

移項するときの基本パターン

移項するときは、符号が反対になります。
+ は - になる
- は + になる
たとえば、
x + 6 = 15
x = 15 - 6
x - 6 = 15
x = 15 + 6
ただし、これは丸暗記だけで終わらせないことが大切です。
符号が変わる理由は、反対の計算をしているからです。
+6 を消すには -6。
-6 を消すには +6。

よくある間違い

移項では、次のような間違いがよくあります。

間違いやすい考え方

・なんとなく符号を変える
・= の意味を考えずに動かす
・左側だけ計算してしまう
・x まで移項してしまって混乱する
・途中式を書かずに暗算する

正しい考え方

・x を残すために何を消すか考える
・左と右に同じことをする
・+ を消すには - を使う
・- を消すには + を使う
・慣れるまでは途中式を書く
移項が苦手なうちは、いきなり短く書かなくて大丈夫です。
まずは「両辺に同じことをする」書き方で練習しましょう。

文章問題でも移項は使う

移項は、計算問題だけでなく、文章問題でも使います。
ある数に 7 を足したら 18 になりました。
ある数はいくつですか?
ある数を x とします。
x + 7 = 18
+7 を移項します。
x = 18 - 7
だから、
x = 11
です。
文章問題でも、わからない数を x にして、方程式を作り、移項して解きます。

確認問題

移項の意味を確認してみましょう。
問題1
x + 4 = 10 を解きましょう。
問題2
x - 3 = 8 を解きましょう。
問題3
x + 9 = 20 を解きましょう。
問題4
x - 6 = 15 を解きましょう。
問題5
2x + 5 = 17 を解きましょう。

答え

問題1:x = 6
問題2:x = 11
問題3:x = 11
問題4:x = 21
問題5:2x = 17 - 5、2x = 12、x = 6

まとめ

移項は、方程式を解くときにとても大切な考え方です。 でも、最初から「反対側へ行くと符号が変わる」とだけ覚えると、意味がわからなくなりやすいです。
移項とは、項を反対側へ移したように見せる計算です。
本当は、両辺に同じ計算をしています。
+ を消すには - を使います。
- を消すには + を使います。
方程式では、左と右のバランスをくずさないことが大切です。
移項の意味がわかると、方程式の計算がかなり楽になります。 まずは、x を残すために「何を消せばよいか」を考えるところから始めましょう。

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