このページで学ぶこと
相似とは、形は同じで、大きさだけが違う図形の関係です。
相似は、高校受験の図形問題でとてもよく出ます。
でも、相似が苦手な子は、
「合同と何が違うの?」
「対応する辺って何?」
「相似比って何?」
「どこの長さとどこの長さを比べればいいの?」
「なぜ比例式を作るの?」
「相似の証明で何を書けばいいの?」
というところで止まりやすいです。
このページでは、相似を「拡大コピー・縮小コピー」のようなイメージから説明します。
図で見る:相似
このページの大事な考え方を、図で先に確認しましょう。
相似では、対応する辺や角を正しく見つけることが大切です。
相似とは何か?
相似とは、形が同じで、大きさだけが違う図形の関係です。
たとえば、写真を拡大コピーしたものを考えてみましょう。
元の写真と拡大コピーは、大きさは違います。
でも、形は同じです。
形は同じ
大きさは違ってもよい
これが相似のイメージです。
相似とは、拡大・縮小した関係のことです。
数学では、2つの図形が相似であることを、
△ABC ∽ △DEF
のように書きます。
「≡」は合同、「∽」は相似です。記号が違うので注意しましょう。
合同と相似の違い
相似を理解するには、合同との違いを知るとわかりやすいです。
| 言葉 |
意味 |
やさしい説明 |
| 合同 |
形も大きさも同じ |
ぴったり重なる |
| 相似 |
形は同じで、大きさは違ってもよい |
拡大・縮小した関係 |
合同は「同じもの」。
相似は「拡大・縮小したもの」と考えるとわかりやすいです。
対応する辺・対応する角とは?
相似では、「対応する」という言葉がとても大切です。
対応するとは、2つの図形で同じ場所にあるという意味です。
たとえば、
△ABC ∽ △DEF
と書かれているとき、順番に注目します。
A と D が対応
B と E が対応
C と F が対応
つまり、対応する辺は次のようになります。
AB と DE
BC と EF
CA と FD
相似では、文字の順番がとても大切です。対応する場所を間違えると、比も間違えてしまいます。
相似な図形で成り立つこと
2つの図形が相似なら、次のことが成り立ちます。
対応する角は等しい
対応する辺の比は等しい
たとえば、
△ABC ∽ △DEF
なら、
∠A = ∠D
∠B = ∠E
∠C = ∠F
となります。
また、対応する辺の比も同じになります。
AB : DE = BC : EF = CA : FD
相似では、「角は同じ」「辺は同じ割合で大きくなる」と考えましょう。
相似比とは何か?
相似比とは、対応する辺の長さの比のことです。
たとえば、小さい三角形の辺が 3cm、対応する大きい三角形の辺が 6cm だとします。
3 : 6 = 1 : 2
このとき、相似比は 1 : 2 です。
相似比とは、どれくらい拡大・縮小されているかを表す比です。
相似比が 1 : 2 なら、大きい図形は小さい図形の2倍の大きさになっています。
相似比を使って長さを求める
相似では、相似比を使ってわからない長さを求めることができます。
たとえば、
2つの三角形が相似です。
小さい三角形の辺が 3cm、対応する大きい三角形の辺が 6cm です。
小さい三角形の別の辺が 4cm のとき、対応する大きい三角形の辺は何cmですか?
3cm が 6cm になっているので、2倍です。
だから、4cm の対応する辺も2倍になります。
4 × 2 = 8
答えは、
8cm
です。
相似では、対応する辺は同じ倍率で大きくなります。
比例式で長さを求める
相似の問題では、比例式を使うことがよくあります。
たとえば、
△ABC ∽ △DEF で、AB = 3cm、DE = 6cm、BC = 5cm、EF = x cm とします。
対応する辺は、
AB と DE
BC と EF
です。
だから、比を作ります。
AB : DE = BC : EF
数字を入れると、
3 : 6 = 5 : x
3 : 6 は 1 : 2 なので、5 も2倍します。
x = 10
答えは、10cmです。
比例式を作るときは、対応する辺どうしをそろえることが大切です。
三角形の相似条件とは何か?
三角形が相似であることを証明するときには、相似条件を使います。
三角形の相似条件は、主に次の3つです。
| 相似条件 |
やさしい説明 |
| 3組の辺の比がすべて等しい |
3つの辺が同じ割合で大きくなっている |
| 2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい |
辺の比・角・辺の比がそろっている |
| 2組の角がそれぞれ等しい |
角が2つ同じなら、残りの角も同じになる |
相似条件は、2つの三角形が「同じ形」だと言うためのルールです。
証明問題では、特に「2組の角がそれぞれ等しい」がよく使われます。
合同条件と相似条件の違い
合同条件と相似条件は似ていますが、意味が違います。
| 種類 |
何を証明する? |
ポイント |
| 合同条件 |
形も大きさも同じ |
辺の長さが等しい |
| 相似条件 |
形が同じ |
辺の比が等しい |
合同は「長さが等しい」。
相似は「長さの比が等しい」。
ここを区別しましょう。
相似の証明の基本形
相似の証明も、合同の証明と同じように、理由を順番に書きます。
相似の証明テンプレート
△ABC と △DEF において、
∠A = ∠D ……①
理由:__________
∠B = ∠E ……②
理由:__________
①②より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ABC ∽ △DEF
相似の証明では、「2組の角が等しい」を使うことが多いです。
例題:相似を証明する
次のような問題を考えます。
AB ∥ DE のとき、△ABC ∽ △DEC を証明しなさい。
図では、平行線があるので、錯角や同位角が使えます。
AB と DE が平行なので、錯角が等しくなります。
証明
△ABC と △DEC において、
AB ∥ DE より、平行線の錯角は等しいので、
∠BAC = ∠EDC ……①
AB ∥ DE より、平行線の錯角は等しいので、
∠ABC = ∠DEC ……②
①②より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ABC ∽ △DEC
平行線がある相似の証明では、錯角や同位角を見つけることが大切です。
相似を使うと何ができるの?
相似を使うと、直接測れない長さを求めることができます。
たとえば、
・木の高さを影の長さから求める
・川の向こう側までの距離を求める
・図形の中のわからない辺の長さを求める
・入試問題で複雑な図形の長さを求める
相似は、ただ形を比べるだけではありません。
長さを求めるための強力な道具です。
相似がわかると、図形の長さを比で求められるようになります。
例題:相似比から長さを求める
次の問題を考えます。
△ABC ∽ △DEF で、AB = 4cm、DE = 12cm、BC = 5cm、EF = x cm です。
x を求めなさい。
AB と DE が対応しています。
AB : DE = 4 : 12 = 1 : 3
つまり、大きい三角形は小さい三角形の3倍です。
BC と EF も対応しているので、
EF = 5 × 3 = 15
したがって、
x = 15
です。
対応する辺の倍率がわかれば、他の対応する辺の長さも求められます。
相似でよくあるつまずき
相似では、次のようなところでつまずきやすいです。
間違いやすい考え方
・合同と相似を混同する
・対応する辺を間違える
・文字の順番を見ない
・相似比を逆にしてしまう
・角が等しい理由を書かない
・比例式をなんとなく作る
正しい考え方
・相似は拡大・縮小と考える
・対応する場所を確認する
・△ABC ∽ △DEF の順番を見る
・小さい方から大きい方かをそろえる
・錯角・同位角など理由を書く
・対応する辺どうしで比を作る
相似が苦手な子は、まず「どの辺とどの辺が対応しているか」を図に書き込むことが大切です。
確認問題
相似の基本を確認してみましょう。
問題1
相似とは、どのような図形の関係ですか?
問題2
合同と相似の違いを説明しましょう。
問題3
△ABC ∽ △DEF のとき、A と対応する点はどれですか?
問題4
小さい三角形の辺が 3cm、対応する大きい三角形の辺が 9cm のとき、相似比はいくつですか?
問題5
相似比が 1 : 4 のとき、小さい三角形の辺が 5cm なら、対応する大きい三角形の辺は何cmですか?
問題6
三角形の相似条件を1つ書きましょう。
答え
問題1:形が同じで、大きさだけが違ってもよい図形の関係
問題2:合同は形も大きさも同じ。相似は形が同じで大きさは違ってもよい
問題3:D
問題4:3 : 9 = 1 : 3
問題5:5 × 4 = 20cm
問題6:例:2組の角がそれぞれ等しい
まとめ
相似は、図形の証明や長さを求める問題でとても大切です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、意味はシンプルです。
相似とは、形が同じで、大きさだけが違う図形の関係です。
合同は形も大きさも同じ、相似は大きさが違ってもよい関係です。
相似な図形では、対応する角は等しくなります。
相似な図形では、対応する辺の比が等しくなります。
相似比は、対応する辺の長さの比です。
相似条件を使うと、三角形が相似であることを証明できます。
相似が苦手なときは、まず「拡大コピー・縮小コピー」と考えましょう。
そして、対応する点・辺・角を図に書き込むことから始めると、ぐっとわかりやすくなります。