このページで学ぶこと
正負の数とは、0を基準にして、0より大きい数と0より小さい数を表す考え方です。
正負の数は、中学数学の最初に出てくるとても大切な単元です。
ここがあいまいなままだと、
方程式の移項で符号を間違える
関数のグラフで座標がわからなくなる
マイナスの計算で止まる
2次方程式や平方根で混乱する
文章問題で増える・減るを式にできない
ということが起こりやすくなります。
このページでは、「プラス」「マイナス」「0」の意味から、ゆっくり説明します。
図で見る:正負の数
このページの大事な考え方を、図で先に確認しましょう。
0を中心に、右へ行くほど数は大きく、左へ行くほど小さくなります。
正負の数とは何か?
正負の数とは、正の数と負の数を合わせた言い方です。
正の数 = 0より大きい数
負の数 = 0より小さい数
たとえば、
+3、+10、+100
は正の数です。
-3、-10、-100
は負の数です。
正の数はプラスの数。
負の数はマイナスの数。
0は、正の数でも負の数でもありません。
0は基準になる数
正負の数では、0が基準になります。
0より大きければ正の数。
0より小さければ負の数です。
気温が +5℃ → 0℃より5℃高い
気温が -5℃ → 0℃より5℃低い
0は「何もない」という意味だけではありません。
正負の数では、「基準」として使われることがあります。
たとえば、海面を0mとすれば、
+100m = 海面より100m高い
-20m = 海面より20m低い
と表せます。
プラスとマイナスの意味
プラスとマイナスは、反対の向きや反対の状態を表すことがあります。
| 場面 |
プラス |
マイナス |
| 気温 |
0℃より高い |
0℃より低い |
| お金 |
収入・増える |
支出・減る |
| 高さ |
基準より高い |
基準より低い |
| 移動 |
右へ進む |
左へ進む |
マイナスは「悪い数」ではありません。
基準より小さい、反対向き、減る、という意味で使われます。
数直線とは何か?
数直線とは、数を線の上に並べたものです。
右に行くほど数は大きくなり、左に行くほど数は小さくなります。
数直線では、右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さいです。
たとえば、-2 と -5 では、-2 のほうが右にあるので大きいです。
-2 > -5
マイナスの数は、数字だけ見ると -5 のほうが大きく見えるかもしれません。
でも、数直線では -2 のほうが右にあるので大きいです。
正の数は + を省略することが多い
正の数には + をつけて表すことがあります。
+5
でも、ふつうは + を省略して、
5
と書くことが多いです。
つまり、
+5 と 5 は同じ意味
です。
何も符号がついていない数は、ふつう正の数として考えます。
絶対値とは何か?
絶対値とは、0からどれだけ離れているかを表す数です。
たとえば、+3 は0から3離れています。
-3 も0から3離れています。
だから、
+3の絶対値は3
-3の絶対値も3
です。
絶対値は、プラス・マイナスの向きではなく、0からの距離を表します。
絶対値は距離なので、マイナスにはなりません。
正負の数のたし算
正負の数のたし算は、数直線で考えるとわかりやすいです。
プラスを足す → 右へ進む
マイナスを足す → 左へ進む
たとえば、
2 + 3 = 5
は、2から右へ3進むので5です。
2 + (-3) = -1
は、2から左へ3進むので-1です。
マイナスを足すとは、左へ進むことだと考えるとわかりやすいです。
同じ符号のたし算
同じ符号どうしを足すときは、数字を足して、符号はそのままにします。
(+3) + (+4) = +7
これは、プラスどうしなので、答えもプラスです。
(-3) + (-4) = -7
これは、マイナスどうしなので、答えもマイナスです。
同じ符号なら、数字を足して、同じ符号をつけます。
違う符号のたし算
符号が違う数を足すときは、数字の大きいほうから小さいほうを引きます。
そして、数字が大きいほうの符号をつけます。
(+7) + (-3) = +4
7のほうが3より大きいので、答えはプラスです。
(-7) + (+3) = -4
7のほうが3より大きく、-7のほうが強いので、答えはマイナスです。
符号が違うときは、数字の大きいほうの符号が残ります。
正負の数のひき算
正負の数のひき算で大切なのは、ひき算をたし算に直すことです。
引く数の符号を変えて、たし算にする
たとえば、
5 - 3 = 5 + (-3)
です。
また、
5 - (-3) = 5 + 3
になります。
マイナスを引くと、プラスになります。
ここはとても間違えやすいです。
「引く数の符号を変える」と覚えましょう。
なぜマイナスを引くとプラスになるの?
たとえば、
5 - (-3)
は、「5から、-3を取り除く」という意味です。
マイナスを取り除くので、結果として増える方向になります。
数直線で考えると、
-3を引く = 左へ3進むことをやめる = 右へ3進む
と考えられます。
だから、
5 - (-3) = 5 + 3 = 8
になります。
マイナスを引くとプラスになるのは、反対の反対になるからです。
正負の数のかけ算
かけ算では、符号の組み合わせを覚えることが大切です。
+ × + = +
+ × - = -
- × + = -
- × - = +
表にすると、次のようになります。
| 計算 |
答えの符号 |
例 |
| プラス × プラス |
プラス |
3 × 4 = 12 |
| プラス × マイナス |
マイナス |
3 × (-4) = -12 |
| マイナス × プラス |
マイナス |
(-3) × 4 = -12 |
| マイナス × マイナス |
プラス |
(-3) × (-4) = 12 |
同じ符号どうしのかけ算はプラス。
違う符号どうしのかけ算はマイナスです。
正負の数のわり算
わり算も、符号の考え方はかけ算と同じです。
同じ符号ならプラス
違う符号ならマイナス
たとえば、
12 ÷ 3 = 4
12 ÷ (-3) = -4
(-12) ÷ 3 = -4
(-12) ÷ (-3) = 4
です。
かけ算・わり算では、まず答えの符号を決めてから、数字を計算すると間違いにくいです。
計算の順番
正負の数では、計算の順番も大切です。
基本は、
かっこの中
↓
かけ算・わり算
↓
たし算・ひき算
の順番です。
たとえば、
2 + 3 × (-4)
では、先に 3 × (-4) を計算します。
3 × (-4) = -12
だから、
2 + (-12) = -10
です。
前から順番に計算するのではなく、かけ算・わり算を先に計算します。
正負の数と方程式のつながり
正負の数は、方程式でもとても大切です。
たとえば、
x + 5 = 2
では、5を右に移すと、
x = 2 - 5
になります。
そして、
2 - 5 = -3
なので、
x = -3
です。
正負の数がわかると、方程式でマイナスの答えが出ても落ち着いて計算できます。
正負の数と関数のつながり
関数では、座標にマイナスの数が出てきます。
たとえば、
(-2, 3)
は、
x方向に左へ2
y方向に上へ3
という意味です。
数直線で、マイナスは左側を表すので、グラフでも左側に進みます。
正負の数は、座標やグラフを読むための土台にもなります。
例題1:数の大小
-2 と -5 では、どちらが大きいですか?
数直線では、右にある数ほど大きくなります。
-2 は -5 より右にあります。
だから、
-2 > -5
です。
答え:-2のほうが大きい
例題2:たし算
(-4) + 7 を計算しなさい。
符号が違うので、数字の大きいほうから小さいほうを引きます。
7 - 4 = 3
7のほうが大きく、プラスのほうが強いので、
(-4) + 7 = 3
です。
答え:3
例題3:ひき算
6 - (-2) を計算しなさい。
マイナスを引くので、プラスに直します。
6 - (-2) = 6 + 2
だから、
6 + 2 = 8
です。
答え:8
例題4:かけ算
(-3) × (-5) を計算しなさい。
マイナスとマイナスのかけ算なので、答えはプラスです。
数字だけを見ると、
3 × 5 = 15
なので、
(-3) × (-5) = 15
です。
答え:15
正負の数でよくあるつまずき
間違いやすい考え方
・0を正の数だと思う
・-5のほうが-2より大きいと思う
・マイナスを引くときに符号を変えない
・-3×-4をマイナスにしてしまう
・計算の順番を守らない
・符号と数字を同時に考えて混乱する
正しい考え方
・0は正でも負でもない
・数直線では右の数ほど大きい
・引く数の符号を変えてたし算にする
・同じ符号のかけ算はプラス
・かけ算・わり算を先に計算する
・まず符号、次に数字を考える
正負の数が苦手な子は、頭の中だけで考えず、数直線を思い浮かべると理解しやすくなります。
確認問題
問題1
正の数とは、0よりどのような数ですか?
問題2
負の数とは、0よりどのような数ですか?
問題3
0は正の数ですか、負の数ですか?
問題4
-4 と -1 では、どちらが大きいですか?
問題5
(-6) + 9 を計算しましょう。
問題6
5 - (-3) を計算しましょう。
問題7
(-4) × (-2) を計算しましょう。
問題8
18 ÷ (-3) を計算しましょう。
答え
問題1:0より大きい数
問題2:0より小さい数
問題3:正の数でも負の数でもない
問題4:-1
問題5:3
問題6:8
問題7:8
問題8:-6
まとめ
正負の数は、中学数学の一番大切な土台のひとつです。
正の数は、0より大きい数です。
負の数は、0より小さい数です。
0は、正の数でも負の数でもありません。
数直線では、右にある数ほど大きいです。
プラスを足すと右へ進み、マイナスを足すと左へ進みます。
ひき算は、引く数の符号を変えてたし算に直します。
かけ算・わり算では、同じ符号ならプラス、違う符号ならマイナスです。
正負の数は、方程式・関数・座標・文章問題の土台になります。
正負の数が苦手でも、焦らなくて大丈夫です。
まずは「0を基準にして、右がプラス、左がマイナス」と考えるところから始めましょう。